観葉植物など、大事に育ている植物に付着しているアブラムシ。殺虫剤はやっぱり毒だし使いたくない、という方は多いと思います。
そういった化学物質を使わないアブラムシの駆除方法は、いくつか知られています。この記事ではその中から、重曹を使った駆除方法を紹介します。
重曹ってなに?
重曹は料理にも使われる粉末で、化合物としては炭酸水素ナトリウムという名前です。重炭酸ソーダという名前もあり(漢字で書くと重炭酸曹達)、これを略したのが重曹という名前です。
料理ではベーキングパウダーとして使われ、パンや焼き菓子を作る時に用いられます。
水に溶かすと、水溶液は弱いアルカリ性を示します。人体に大きな影響のない物質で、安全性の観点から指定される特定農薬にも指定されています。
園芸、農業には一般的に使われている化合物で、うどんこ病などに効果があると言われています。
重曹スプレーの作り方
分量は情報によって様々ですが、目安として掲載します。
重曹:3〜5 g、水:475 ml(475 cc)、食用油:20 ml(20 cc)、中性洗剤:5 ml(5 cc)。
この分量ですと、中性洗剤が全体の1%、食用油が全体の4%となります。
重曹を水に溶かすだけでなく、食用油も加える理由は、食用油を展着剤として使うためです。
展着剤は、この液体をアブラムシの表面にとどめておく役割があります。植物の葉の上にある水滴が転がるように落ちていく様子を御覧になったことがある方は多いと思います。アブラムシの体表もそのような感じで水をはじく性質があるため、重曹の水溶液がアブラムシの表面にとどまることができるように食用油を加えます。
中性洗剤は、食用油を水に加えたために起こる水と油の分離を抑制するために加えます。
アブラムシを窒息させる効果がある
この液体をアブラムシにスプレーしますと、窒息させる効果があります。アブラムシの体の側面にある、呼吸をするための気門がふさがれ、アブラムシは呼吸ができなくなります。
また、うどんこ病などの防止にも効果がありますので、一石二鳥の効果が得られます。
ただし、食用油、中性洗剤が入っていますので、アブラムシに対して効果が出てきたら、水のスプレーで洗い流しましょう。アブラムシの死体もそのままにしておくとカビなどの原因になりますので、水スプレーで洗い流して下さい。
重曹スプレーが効果がない場合もある
しかし、重曹スプレーが効果を示さない場合もあります。理由は、「アブラムシの気門を密閉できなかった」がほとんどです。
この様な場合で多いのは、水と油が十分混じっていなかったケースです。水と油が分離すると水が下になります。そしてスプレーが、タンクの下から水を吸い上げるものだった場合、水だけを吸い上げることになってしまい、展着剤が無い状態でアブラムシに吹きかけられることになります。
中性洗剤を増やすのが手っ取り早い対策ですが、まずはスプレーの前によく振って、食用油と水をできるだけ混合させて噴霧しましょう。それでも効果がなかった場合に中性洗剤の量を増やすのが良いと思います。
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