家の中をちょこちょこと動き回る、下の写真のような蜘蛛を見たことがある方は多いと思います。それはほとんどの場合「ハエトリグモ」という種類の蜘蛛です。
蜘蛛は苦手な方が多く、蜘蛛なら全て一緒、気持ち悪いとされることが多いのですが、このハエトリグモはなかなかのキャラをしてるんです。
ハエトリグモは巣を作らない
蜘蛛、というと網の目に張り巡らされた蜘蛛の巣が想像されます。しかしハエトリグモは巣を作りません。
ハエトリグモは優れた運動能力で動き回り、小型の昆虫を捕まえてエサとしています。さらに、ジャンプまでするという運動神経抜群の昆虫です。体は小型、脚は他の蜘蛛と比べて短く、視力が発達しています。
ハエトリグモの種類
現在わかっているだけで、ハエトリグモは約5000種だそうです。熱帯の森林に住んでいるものも多いので、これ以上の種類があることは確実です。
日本の住宅地にある家屋に出没するのは、アダンソンハエトリ、シラヒゲハエトリ、チャスジハエトリを主として数種類です。
近くに林、大きめの公園がある場合は、マミジロハエトリ、ネコハエトリ、アオオビハエトリが家屋に入ってくる可能性があります。
人間の生活、文化に近いハエトリグモ
家屋でエサをとったり、人間の生活圏で生息するハエトリグモは、文化面でも人間と密接な関係があります。
ハエトリグモにハエを捕ることを競わせる「座敷鷹」という遊びが江戸時代に流行しました。また、1960年頃まで、「ほんち」と呼ばれる昆虫相撲が子供の間で遊びとして行われています。
ハエトリグモは人を刺すことも咬むこともないため、このように遊びに使われたのでしょう。
昭和時代のおばあちゃんの知恵
掃除をする時に、蜘蛛の巣は払いますよね。でも、屋内でちょこちょこ動いている蜘蛛は殺してはダメ、と祖父母に言われたことがある方、いらっしゃるのではないでしょうか?
ハエトリグモは、ハエだけでなく小型昆虫を捕食します。当然、ゴキブリなど、家屋に住んでいる衛生害虫もエサにします。
昭和時代(今もそうですが)、ハエ、蚊、ゴキブリは人間にとっては厄介な衛生害虫です。これらの昆虫は全てハエトリグモのエサなのです。
ハエトリグモは、自分と同じサイズかそれより小さい昆虫しかエサにしません。大型に成長したゴキブリを襲って食べる例はほとんどありません。
しかし、ゴキブリも小さい時期はあります。その時期に食べてくれて少しでもゴキブリの個体数を減らしてくれるハエトリグモは、昆虫駆除の技術が発達していない時代であれば心強い人間の味方だったと想像できます。
今でも、家の中にハエトリグモが出た時には、殺虫剤などで殺さずに外に出す方は、中年から高齢の方々の中にいらっしゃると思います。

さらに、多くの種類が存在すること、その中には色が美しいものもいることから、マニアも存在します。
上に掲載した写真はアオオビハエトリで、色彩が特に美しいとされているものです。
以上、意外と知られてはいませんが、人間の生活と密接につながっているハエトリグモについての解説でした。


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