イラストの虫は、アオバアリガタハネカクシという虫です。
この虫は、独特の色をしています。大きさは5mmから8mmくらい、ちょっとアリに似ている感じです。
アオバアリガタハネカクシは、非常に危険な虫で、別名が「やけど虫」どんな虫なのでしょうか?
アオバアリガタハネカクシの基本情報
アオバアリガタハネカクシは、湿った場所を好みます。水田、池などに生息していることが多いのですが、この虫は走光性があります。
走光性とは、明かりに群がる性質です。街灯などに蛾が群がりますが、あれは走光性です。
ですので、家の明かりに誘われて、人家の近くにも来ます。一見すると羽がないように見えますが、羽はちゃんとあります。隠しているように見えるのが、ハネカクシという名の由来です。
そして何かの拍子に家の中に入ってきます。そうなると人間にとっては危険な敵になるのです。
ミミズ腫れ
アオバアリガタハネカクシの体液が人間の皮膚に付着すると、すぐには何も起こりませんが、しばらくするとミミズ腫れができます。
別名のやけど虫という名は、このミミズ腫れが火ぶくれのように見えることからつきました。
しばらくしてミミズ腫れが発症するので、アオバアリガタハネカクシの仕業だと気づかないこともあります。
咬んだり刺したりしなくても、体液に触れるだけでミミズ腫れができるので厄介です。蚊を叩くように、皮膚の上で潰してしまうと、体液が皮膚に付着し、後で大変なことになります。
毒も悪いことばかりじゃない
ミミズ腫れを引き起こすのは、アオバアリガタハネカクシの体液中に含まれるペデリンという物質のせいです。
このペデリンは、アオバアリガタハネカクシの体内に共生している微生物が作り出しています。
ペデリンは、細胞中の遺伝子、DNAの複製を邪魔します。DNAが複製できないと、細胞は増えることができません。
このペデリンを、がんに罹っているマウスに投与すると、がん細胞が増殖できず、マウスの寿命が延びるという研究報告があります。
現在ペデリンは、新しい抗がん剤の候補として注目されています。今使われている抗がん剤の一つ、イルシニアスタチンAと同じ構造を持っているので、かなり有望であるそうです。
因みにイルシニアスタチンAも、もとはプシンベリンという海面に含まれている毒です。
ペデリンのようにミミズ腫れを引き起こす毒でも、別な方向から見ると、重大な病気であるがんを抑える効果があり、人間の役に立つんですね。
とはいえ、アオバアリガタハネカクシには要注意です
しかし、体液に触れるとミミズ腫れができてしまうことには変わりがありません。家の中に入ってきたら叩いたりしないように、触らないようにして駆除するか、外へ逃がすのがよいと思います。
体の表面にも体液は分泌されていることが多いので、触っただけでもミミズ腫れができることがあります。
とにかく、家の中にいたら注意です。そして、ペデリンから抗がん剤ができたというニュースを見たら、アオバアリガタハネカクシの事をちょっと思い出してやって下さい。


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