本の紙、乾麺などの乾燥食品を食い荒らす害虫、シバンムシ。中には家屋に使われている建材を食い荒らす種類もいて、人間にとっては深刻な財産害虫です。
特にタバコシバンムシは要注意です。タバコの葉を食い荒らすだけでなく、乾燥食品、建材も食い荒らします。
タバコの葉にはニコチンが含まれていますが、このニコチンは生物にとっては毒なのです。
そのタバコの葉を食べても平気なタバコシバンムシは、殺虫剤などの毒にも強く、なかなか駆除が難しい虫です。
では、このシバンムシはどこから入ってくるのでしょうか?
シバンムシの基礎知識
シバンムシは、人間の財産、紙、木などを食べる種類と、キノコなどの菌類を食べる種類に分けられます。
害虫とされているのは紙、木などを食べる種類です。
シバンムシの幼虫は、木材や乾燥食品などのエサになるものに小さな穴を開けて、その中で育ちます。
蛹の期間を経て、気温が上がる5月辺りから成虫となりますが、成虫はエサを食べずに、生殖行動のみをして数週間で死にます。
つまり、人間に害を与えるのはシバンムシの幼虫です。
成虫は一回で約100個の卵を産みます。この卵が孵化すると、幼虫はエサとなる乾燥食品などに穴を開けてそこにもぐり込みます。
成虫は1 mmから数mmの大きさです。この大きさがポイントになります。
シバンムシの侵入経路
シバンムシは非常に小さいので、多くの経路から侵入します。
まずは網戸。よほど目の細かい網戸でなければ、シバンムシの侵入を防ぐことはできません。また、網戸の隅の隙間からも簡単に侵入してきます。
次に、人、ペットなどに付着して侵入する場合もあります。例えば、犬の散歩中に、人か犬にシバンムシがくっつき、そのまま家屋内に入ってくるケースも考えられます。
そして、洗濯物に付着して家屋内に侵入するケースもあります。
洗濯物は日当たりのいいところに干しますよね。そして干したばかりの洗濯物は湿気を含んでいます。つまり、高温多湿のシバンムシが大好きな環境なのです。
洗濯物が乾いても、高温の場所からはシバンムシは簡単には離れません。そして洗濯物を取り込むと、そのまま入ってきてしまうのです。
最後に、人間が作る建造物は、大きさが数mmのシバンムシにとっては隙間だらけです。入ってくる経路はいくらでもあります。
対処方法はないの?
対処法は、洗濯物をはたくなどくらいしかありません。敵は数mmの虫ですので、入ってくるような隙間を全てふさぐのは不可能でしょう。
乾燥食品は密閉容器に保存する、見つけ次第こまめに駆除して、大量発生を防ぐなどしか対処方法はないでしょう。
バルサンなどの燻蒸製品が効果があると言われていますが、大がかりになってしまうのでなかなかやりにくい方法です。
ただし、書庫などの本が大量に保存されている部屋では、面倒でもバルサンなどで対処するしかなさそうです。本を密閉容器に保存するわけにはいきませんし。
シバンムシは、長い時間をかけて人間の生活に入り込んで順応した虫です。そういった虫は駆除も一筋縄ではいきません。
見つけたらこまめに駆除を繰り返すのが最も良い方法かも知れませんね。
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