カブトムシを飼っている時に、卵を産ませて幼虫、蛹、そして成虫になるまで自分の手で育ててみたい、と思う方は少なくないと思います。
実際、カブトムシの繁殖をしている方は芸能人などにも多く見られます。
この記事では、繁殖の大事なステップである、カブトムシのメスの産卵について解説します。意外と知られていないカブトムシのメスの産卵、どういうものなのでしょうか?
産卵の時期
カブトムシのメスは、8月くらいに産卵します。しかし、産卵するまでに経なければならない2つの事があります。
一つ目は交尾です。交尾をしないと精子を得る事ができませんので、産む卵が受精せず、無精卵になってしまいます。
そして次は、エサをきちんと食べる事です。産卵はかなり体力を使いますので、十分エサを食べられるようになってからでないとうまくいきません。
これらのことから、カブトムシの産卵は時期よりも羽化してからどのくらい時間が経ったか?が重要になります。交尾をして精子を入手し、産卵に耐えうる体力をつけてから、ということになります。
これらのことから、羽化が早いメスは産卵する時期も早くなりますし、羽化が遅かったメスは産卵する時期も遅くなります。
何個くらい卵を産むのか?
産卵数は、最大100個から150個くらいと言われています。これは一気にこれだけの個数を産むのではなく、毎日こつこつと数個ずつ産んで、総数がこれくらいの数になるということです。
人工的に繁殖させる場合は、マットを使う事が多いのですが、木を入れた時よりもマットを入れた時の方が産卵数は多い傾向にあります。詳しい事はわかっていませんが、産卵場所の広さによって卵の個数を調節しているのかもしれません。
また、昆虫は母体がどれだけのエサを食べるかによって産卵数が変わるという報告もあります。メスが十分なエサを食べる事ができない環境に卵をたくさん産んでも、幼虫たちへのエサが十分ではなく、飢え死にしてしまう可能性があるからです。
メスは毎日卵を産み続けますが、卵を産めば産むほど寿命が短くなります。これは、産卵という行動がかなり体に負担をかける、体力を消耗する行動だからではないかと思われます。
飼育している場合、交尾後のメスがマットの下などにもぐり始めると、産卵行動を開始しています。もしある程度長生きさせたいのであれば、卵をある程度産んだ後に、産卵用のケースから飼育用のケースに移しましょう。
孵化する卵と孵化しない卵
メスが産んだ卵の中には、孵化が難しい卵もあります。卵はメスの体内で一定のクオリティで作られますが、中にはどうしても生殖細胞の発生がうまくいかず、孵化しにくい卵もできてしまうのです。
孵化する可能性が高い卵と、可能性が低い卵の見分け方は、まずは色です。
白い卵は孵化する可能性が高いのですが、茶色っぽい卵は孵化の可能性が低く、受精卵であっても死んでしまっている事があります。
また形も、白い卵はピンポン球のようにきれいな球形であるのに対し、茶色の卵は歪んでいるような感じがします。
繁殖をしている時、メスが産卵した後に産卵場所から卵を集めますが、茶色の卵は孵化の可能性が低いので、集めた卵達から除いてしまう人が多いようです。
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