シバンムシと並んで、本などの大敵である紙魚(シミ)。本だけでなく、障子、ふすま、紙製品ならばなんでも紙魚の害を受ける可能性があります。
さらに、糖やデンプンを含んだものならば大概のものを食べようとします。日本固有種であるヤマトシミもセイヨウシミも、食べるものに違いはそれほどありません。
紙魚は家の中にいる昆虫の代表的なものの一つですが、一体どこから来るのでしょうか?
家屋の中に住み着いている
紙魚は基本的に家屋の中に住み着き、繁殖、成長も家屋内です。外から入ってくる個体数よりも、家屋内で発生する数の方が多いのが現状です。
繁殖は、オスとメスが接触せずに行われます。オスが精子の塊を体外に排出すると、その塊に誘引されてメスがやってきて、精子の塊を体の中に入れて受精します。
繁殖期の紙魚は、走り回るという表現がぴったりの行動をします。メスはとにかく動き回り、この精子の塊を見つけようとします。
紙魚は湿気があり、狭い隙間を好みます。特に湿度は重要で、シミの多くの種類は、水分を空気中の湿気から取り入れています。
新築の建物の場合は?
古い家屋も建てられたばかりの新築の時期があったはずです。そういった建物に紙魚はどうやって入り込んだのでしょうか?
紙魚は屋外にも生息しています。樹皮の下などが主なすみかで、めくれかかっている樹皮の下などではかなりの個体数が確認されます。
そのようなところから家屋内に入ってくるケースがありますが、実は入ってくる経路はそれだけではありません。
新しい家、ビルなどを建て、そこに引っ越すとなると、ダンボール箱に荷物を詰めますよね。このダンボールによって紙魚が持ち込まれてしまう事があるのです。
ダンボールは紙ですし、保温性もよく、紙魚限らず、ゴキブリなども卵を産み付けたり、幼体が住み着いたりします。
そのダンボールが建物の中に持ち込まれると、一緒にそういった虫の卵や幼体が一緒に入ってきてしまうのです。
ダンボールに限らず、様々なものに紙魚の卵や幼体が付着し、新築の建物の中に入ってきてしまうのです。
いったん家屋の中に入ると、後は適度な温度と湿気に守られて増えていきます。人間にとって心地よい環境は、紙魚にとっても心地よい環境なのです。
湿度を下げれば繁殖は防げる
紙魚が建物の中に入ってくることを防ぐのは非常に困難です。卵も幼体も非常に小さく、見つけにくいため、家屋の中に入れる荷物のどこに付着しているかわかりません。
そうなりますと、家屋内で繁殖、増殖する事を防ぐ事が重要になってきます。
紙魚が好む隙間を全て無くす事が効果的ですが、建物、そして建物内の隙間を全て塞ぐのは不可能です。
効果的な方法としては、家屋内の湿気を高い状態にしない事が挙げられます。除湿機、除湿剤などで春から夏にかけての室内の湿度をなるべく低めに設定しましょう。
紙魚は建物の中にいずれ入ってくるものです。やはり大事なのは、紙魚の個体数をなるべく増やさない事です。
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