保管してあるお米に虫がつくことは珍しくありません。よく、「米虫」と言われますが、お米の保管場所に見られる「米虫」は1種類でなく、2種類います。
米に付く害虫は、ほとんどの場合、コクゾウムシかノシメマダラメイガの幼虫のどちらかです。
お米を炊くときによく洗って虫を取り除けば食べてもほとんど害はありません。しかし、できれば虫は増えて欲しくないですよね。
この記事では、そういったお米の害虫の駆除方法について解説します。
コクゾウムシは冷凍庫で駆除が可能
農研機構より
コクゾウムシは縄文時代の遺跡からも発見され、日本人とは昔からつきあってきた虫として知られています。
玄米を精米する段階で、成虫などは除去されてしまいますが、小さな幼虫、卵は除去されずに残る事があります。これらが成長し、繁殖する事によってお米の保管場所に大発生してしまいます。
市販されている米びつ用虫除け剤で駆除はできますが、冷蔵庫を使う方法もあります。
コクゾウムシは、気温が15℃以下になると繁殖ができなくなります。つまり、お米を冷蔵庫に保存しておけば、コクゾウムシは繁殖ができないので、大発生という事にならないのです。
さらに、-20℃で数日間お米を保管すると、卵、幼虫、成虫全てが死んでしまいます。後はお米を炊くときによく洗い、浮いてきた虫の死骸を注意深く取り除けば何の問題もなくそのお米は食べる事ができます。
逆に、23℃から25℃、またはそれ以上の温度では、活発に繁殖を行います。1匹のメスは、200個〜300個の卵を産みますので、この温度で、なおかつ湿気のある場所でお米を保管すると、あっという間にコクゾウムシは大発生します。
スペースの問題もありますが、もしできれば夏のような高温多湿の季節は、お米を冷蔵庫で保管する事をオススメします。
米に湧く白い幼虫”ノシメマダラメイガ”も低温で成長が止まる
農研機構より
ノシメマダラメイガは、幼虫が繭を作るときに吐き出す糸で、お米同士がつながってしまいます。この幼虫は、シンクイムシとも言われています。
こうなりますと、よく洗っても何だか食べる気になりません。と、なりますと、大事なのは幼虫が成長して繭を作らないようにする事です。
ノシメマダラメイガも、高温で多湿な環境では盛んに繁殖を行い、大発生します。
このノシメマダラメイガの場合は、15℃程度では成長スピードが落ちますが、成長できなくなるわけではないようです。
しかし、一般的な冷蔵庫の温度、4℃くらいですと、成長ができなくなります。おおよそ、10℃以下であれば成長は止める事ができます。
コクゾウムシを駆除するように、-20℃でお米を保存すればノシメマダラメイガも駆除できるかどうかは、報告がありませんので不明です。
しかし、-20℃ですと、一般的に昆虫の体液は凍結してしまいますので、ノシメマダラメイガの幼虫、卵も駆除できると考えられます。
お米の保管は高温多湿を避けて
高温多湿の環境でお米を保存すると、味も落ちますし、何より害虫の繁殖をまねいてしまいます。
冷蔵庫に保管がオススメなのですが、独り暮らしの方などは冷蔵庫の大きさに限りがあるので、お米全てを冷蔵庫に保管するのは難しいと思います。
そのような場合は、米びつ用の害虫駆除剤を米びつに入れて保管するのがベストです。
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