カマキリは昆虫の中でも、独特な形をしていて印象的です。カマキリはメスがオスを食べてしまう、共食いも有名な話です。
そして子供の頃、カマキリの卵を見た方も多いのではないでしょうか。あの独特な形状は目立ちます。
成虫、卵の印象的な見た目から、カマキリは昔から人間と密接に関わっています。この記事では、カマキリとカマキリの卵が持つ縁起について解説します。
カマキリの呼び名
カマキリは昔の日本では、拝み虫、斧虫とも呼ばれていました。あの鎌と、独特の動きが表現されている名前です。
中国の故事である「蟷螂の斧」もカマキリ由来です。「蟷螂」は「とうろう」と読みますが、これはカマキリの漢名です。日本では、「蟷螂」は「カマキリ」と読みます。
この故事は、古代の中国皇帝が乗る馬車に、道の真ん中にいたカマキリが立ち向かってきた、という話からきたものですが、このことから、カマキリは「勇気ある虫」とも言われます。
また日本では、京都の風物詩である祇園祭の山鉾には、からくりで動くカマキリを乗せたものがあります。
カマキリの卵の意味は?
カマキリは秋に産卵します。この卵は、その冬、雪が積もる高さよりも高いところに産み付けられるという話があります。
このことから、カマキリはその冬の積雪を予言できる予言者の側面もある、と言われます。しかし、実際は雪に埋もれたカマキリの卵もあります。
つまり、雪に埋もれたカマキリの卵よりも、雪よりも高い位置に産み付けられたカマキリの卵の方が目立つので、そういう話ができていったと考えられます。
科学的にも、カマキリは、必ずその冬の積雪より高い位置に卵を産むということは否定されています。
カマキリの卵自体は、子宝に恵まれる縁起の良いもの、という見方もあります。カマキリの卵か孵化するとき、いっせいに小さなカマキリが出てきます。このことから、カマキリの卵は子宝に恵まれる縁起物、という話はあちこちに見られます。
ただし、この説はネットでのみ見られ、史料などでは確認できません。もしかすると、ネットだけ、または口から口へと伝えられてきたものなのかもしれません。
外国ではどうなの?
カマキリの学名は、ギリシャ語の「予言者」を意味する単語からつけられています。なぜ予言者なのかははっきりとした理由はわかりません。
英語の表記では、祈る、を意味するprayingという単語が使われ、praying mantisと言われています。
祈る、という表現は、鎌を動かしながら首を上下に動かし、それがあたかも祈る仕草のように見えたからと思われます。
カマキリの卵と縁起をキーワードにすると、海外では特に何かが言われている様子はありません。ですが、あくまでネット上での検索の結果です。もしかするとそれぞれの国で、口から口へと伝えられる形で何か縁起に関する事柄が伝えられているかもしれません。
カマキリはその形、仕草、そして卵など、強い印象を人間に与える昆虫です。そのせいで、様々な伝説、縁起に関する事が言われてきたのでしょう。メスがオスを食べてしまう、という行動も、必ずそれが行われるわけではありません。しかし見た人に取っては非常に衝撃的な光景ですので、大げさに言われてきたのかもしれません。
カマキリは特徴的な姿や行動で、得をしてみたり損をしてみたり、個性派揃いの昆虫の中でも特に個性的な昆虫です。
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