トンボの幼虫であるヤゴは、飼育する人が意外と多く、羽化の瞬間の美しさは多くの人を虜にしています。
しかし、ヤゴの飼育は餌についての難易度が高く、苦労している人が多くいます。
これはヤゴの餌が活き餌でなければならないという制約があるからです。つまり、生きた動物でなければヤゴの餌になってくれないのです。
生きた動物を捕まえてこなければならないので、餌の確保は大変です。
となると、庭などで比較的簡単に捕まえる事のできるダンゴムシを餌にはできないものでしょうか?
この記事では、ヤゴの生態などを解説し、ダンゴムシがヤゴの餌になるかどうかについて解説します。
ヤゴはどんな昆虫?何を食べるの?
先に書いたように、ヤゴはトンボの幼虫です。トンボは蛹を経ずに羽化するので、ヤゴから直接トンボが羽化します。
ヤゴは水中で生活しますが、水中の生物の中ではかなり獰猛な種類に入ります。
餌を見つけたときに食いつくスピードはかなり速く、あっという間に餌に食いつきます。餌は水中の昆虫を主に食べますが、魚に食いつき、体液を吸う事もあります。
ヤゴが食いつく相手は昆虫から魚まで幅が広いのですが、共通する事があります。
それは「餌となるターゲットが動いていなければならない」という事です。動いているものでなければ、ヤゴは餌として認識してくれません。
このため、ヤゴを飼育するときには生きたままの生物を餌として確保する必要があるのです。
ダンゴムシの基礎知識
ダンゴムシは、昔遊んだ方も多いかと思います。手にのせて、つついたりすると、くるっと丸まるあの虫です。
庭の石をひっくり返すと簡単に見つかりますし、落葉樹のある土周辺にはかなりの数が生息しています。
何匹も捕まえるという点では、ダンゴムシは条件に適した昆虫です。都会でも、公園に行けば見つけるのは難しくありません。
日本に生息しているダンゴムシであれば、大きさも巨大ではないですし、ヤゴの餌としては使えそうな感じです。
ダンゴムシをヤゴの餌として使うための条件
それでは、ダンゴムシをヤゴに与えてみましょう。
まず気をつけなければならない事は、ダンゴムシは生きたまま水面に落とすという事です。生きて動いている動物でなければヤゴは食いつきません。
水面上でもぞもぞと動く感じがベストです。ヤゴは気づいてすぐに飛びつきます。
しかし、次のハードルがあります。水面で動いて飛びついたヤゴは、ダンゴムシの表面の硬さに苦戦する可能性があるのです。
丸まったダンゴムシをコンクリートなどの固い地面の上に置いて踏むとつぶれてしまいますが、土の上にいるダンゴムシは人の重さくらいではつぶれずに、土にめり込みます。
つまり、丸まったダンゴムシはそれほど硬いのです。ヤゴに捕まったダンゴムシが丸まってしまうと、硬い表皮を食い破る事が難しく、ヤゴは苦戦する事になります。
とはいえ、ダンゴムシの腹部は柔らかいので、ヤゴがうまく腹部に食いつけば十分に餌となります。
ある程度の個体数を確保できるダンゴムシですので、もしヤゴが食べるのに苦戦し、水中でダンゴムシを放してしまう事があれば、少し落ち着いた頃を見計らって新しいダンゴムシを水面に落とすのがよいでしょう。
他の注意点としては、ヤゴが放してしまったダンゴムシは、水槽内に放置すると汚染の原因になるので早めに取り除いて下さい。
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