日本は自動販売機大国です。街中のあちこちに自動販売機が設置され、その数は世界有数です。
夜、暗い道に自動販売機の光があるとちょっと安心する事ってありませんか?周囲を明るくする、という面でも自動販売機は役に立つ事があります。
でも、季節によってはその自動販売機の明かりに虫が大量に群がっているときがありますよね。そばを通ると虫が身体に向かってきたりして、それはちょっと嫌です。
ちょっと前まではどの自動販売機にも虫が群がっていたのですが、最近は群がっていない自動販売機もあります。
こういう自動販売機は虫対策をしている自動販売機です。では、どんな対策をしているのでしょうか?
虫が自動販売機に集まる理由
虫が夜、自動班履きに集まる理由は、光に誘われる事が原因です。
光の刺激に対して行動する事を、生物の走光性と言います。光に寄ってくるのは正の走光性、光から逃げる行動は、負の走光性と言います。
蛾などは光に寄ってくるので正の走光性、ミミズなどは地表に出ると生命に危険が及ぶので、負の走光性を持っています。
自動販売機に集まる虫は、正の走光性を持っている虫たちで、自販機の光に誘われて寄ってきているのです。
対策その1:防虫スプレー
自動販売機の表面に防虫スプレーをする、という方法があります。ある程度効果が持続する防虫スプレーも最近では販売されています。
しかしこの方法の欠点は、防虫スプレーの効果が弱まったあたりで、また防虫スプレーをしなければならないということです。
中身の補充時にスプレーするという手もありますが、なかなか面倒です。さらに、防虫スプレーは人間の身体に影響があるかもしれません。
対策その2:防虫蛍光灯を使う
最近の主流は、自動販売機の光源に防虫蛍光灯を使うという方法です。この防虫蛍光灯はどんな蛍光灯なのでしょうか。
光には波長というものがあります。つまり「長さ」です。様々な長さの光が集まって、我々の周囲の光ができています。
長さ別にすると、光には色がある事がわかります。例えば、光の長さが約650nm(ナノメートル)から約780nmであると、光は赤です。
人間の目に見える光、可視光線は380nmから780nmの光です。550nm周辺の光がピークと言われています。
一方で、昆虫の場合は250nmから600nmの光が見えています。この中で、正の走光性を持つ昆虫が最も好むのは、350nmから400nm周辺の光です。
400nmあたりですと、青っぽい紫の光になります。
人間の目に見える光が380nm以上ですので、380nm以下の光をカットしても、人間の目にはわかりません。
しかし、380nm周辺以下の光がカットされると、昆虫の目にはかなり弱い光に見えてしまいます。
防虫蛍光灯は、この380nm以下の光をカットしてあります。そのため、昆虫の目にこの光が見えにくく、光に向かって昆虫が寄ってくることがほとんどなくなります。
防虫蛍光灯を使えば、自動販売機に寄ってくる虫の数はかなり減らす事ができます。夏などにあまり虫が寄ってきていない自動販売機は、ほぼ防虫蛍光灯を使っています。
まとめ
自動販売機に群がってくる虫を駆除するのではなく、群がる原因を解決する、という方法が最近では採用されています。
明かりに群がる虫は、夏の風物詩と感じる人も多いかもしれません。
しかし、自動販売機は飲食するための品物を販売するものがほとんどです。やはり衛生面を考えると虫が群がる事は良いことではないということです。
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