この記事では虫の写真は掲載していません。全てイラストで掲載されていますので、苦手な方はご安心下さい。
強い生命力と繁殖力、移動速度の速さ、など、ゴキブリの生物としての高い能力は、ある意味で無敵ではないかと言われるほどです。
約3億年前に出現したと言われるゴキブリは、人間の生活の変化とともに、家屋に住み着くなどして環境に適応しています。
しかし、そんなゴキブリにも手強い敵がいます。
ゲジゲジはゴキブリの天敵
ゴキブリにとっての天敵とは、ゲジゲジです。
鳥やネコなどもゴキブリを捕まえますが、鳥はよほどのことがない限り家の中には入ってきませんし、ネコに追いかけられたら、ねこが入ってこられないような隙間に逃げ込んでしまえばゴキブリの勝ちです。
しかし、体のサイズがゴキブリと同じかやや小さなゲジゲジは、ゴキブリが入れるところに入ってきますし、家屋の中という生息環境も一致しています。
ゲジゲジはその長い足でゴキブリに巻き付くようにして、ゴキブリを捕食します。
悪路では圧倒的に速いゲジゲジ
しかしゴキブリはスピードが速く、捕まえるのは大変そうです。ゲジゲジもスピードは遅くはありませんが、ゴキブリと比べるとかなり遅いのが現実です。
ゴキブリはゲジゲジの4倍から7倍のスピードで移動します。が、それは平面で比べた場合です。でこぼこした場所や障害物のある場所では、ゲジゲジの方が圧倒的に移動スピードが速いのです。
ゴキブリは3対6本の足、ゲジゲジの成体は15対30本の足を持っています。ゲジゲジはこの30本の足で器用に障害物を乗り越え、ゴキブリに追いついてしますのです。
ゴキブリが整備された平面コースで圧倒的に速いF1マシンだとすると、ゲジゲジは悪路で運動性能が高く、移動スピードの速い戦車と言えます。
いったん捕まえたら逃さないゲジゲジ
ゲジゲジがゴキブリを捕まえると、逃げることはほぼ不可能です。
ゲジゲジの30本の足が器用にゴキブリに絡みつきます。もちろんゴキブリの足にも絡みつくので、動けなくなってしまいます。
その状態でゲジゲジは大きな顎でゴキブリの体に噛みついて食べ始めます。
この捕まえる様子を、英語では「lassoing」と呼んでいます。日本語訳すると、「投げ縄」という意味になります。ゲジゲジの足が巻き付いている様子からこのような表現をされるようになりました。
ゲジゲジは気持ち悪いだけで大した害はない
虫が苦手人に取っては、ゴキブリもゲジゲジも同じ気持ちの悪い生き物でしょう。しかし、具体的な「害」という観点で見ると、ゲジゲジには大した害がありません。
攻撃性は低く、噛みつかれてもゲジゲジの毒は人間にさほどの影響は与えません。病原体を運ぶこともありません。
しかし、出てくるとぎょっとしてしまうのは事実です。見るのが嫌であれば、ゴキブリが生息するような環境を家屋の中に作らないことが一番です。エサのゴキブリがいなければ、ゲジゲジがエサを求めて家屋に居つくことはありません。
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