最近は夏の気温が非常に高く、40度に達することもしばしばあります。そんな暑い日、蚊のぷーんという音を聞いたことがありますか?
夏の虫である蚊は、実は気温が高いと活動が鈍くなります。そうなると、当然血を吸う行動も積極的に行わなくなります。
なぜそのようなことになるのか?についてこの記事では解説します。
35度をこえると蚊はどんな行動をする?
気温が35度をこえると、蚊は落ち葉の下などの日陰に入って活発な行動をしなくなります。
蚊が積極的に行動する気温は、15度から31度くらい、積極的な吸血行動もこの温度帯に含まれます。
生物の体温調節
昆虫は変温動物に分類されています。我々哺乳類のような恒温動物は、体温を35度から40度くらいの間に保つシステムを持っていますが、変温動物は体温調節システムを持たないと言われています。
しかし実際は、変温動物も体温を調節するシステムを持っています。
哺乳類が持つ体温調節システムは、自律性体温調節です。自分の身体の血管を拡張する、心拍数の調節などで体温を調節します。このようなメカニズムは現在昆虫では見つかっていません。
しかし、行動性体温調節システムというものはほとんどの生物が持っています。このシステムは、行動によって自分の体温を調節するメカニズムです。
蚊が35度をこえると、日陰でなるべく動かないようにしているのは、この行動性体温調節であると考えられます。
気温が高すぎると蚊の体に何が起きるか
気温が高すぎると、生物の体内にあるタンパク質が変性することがあります。タンパク質は高温条件下では性質が変わってしまうのです。
体の仕組みを動かす酵素などの重要な分子は主にタンパク質でできています。高温条件で酵素のタンパク質が変性すると、酵素が酵素のとしての働きをしなくなります。
酵素には、生命の維持に関わる重要なものもあるため、酵素の働きがなくなると、生物が生命を維持できなくなってしまうのです。
これを防ぐために蚊は日陰の比較的気温が低いところにいて、体内の温度が高くなるのを防いでいると考えられます。行動すれば、行動のためのエネルギーを体内で生産しなければならず、その生産には発熱が伴うので、蚊にとっては大きなリスクになるのです。
35度以上で蚊はすべて死ぬわけではない
このようにして体温の上昇を防ぐ蚊ですが、高温になると死ぬという情報も見かけます。
50度をこえるようだとさすがに死ぬ蚊は多いでしょう。しかし、40度くらいでは蚊が全て死ぬわけではありません。体温上昇を防げる場所にじっとしていて、夜になって気温が低くなると吸血行動などの行動を開始します。
今後も、夏に猛暑が続くと、昼間に蚊に刺されることは減るかもしれません。しかし、人間の持つ自律性体温調節システムにも限界があり、人間も日陰に入ったりして、体温の上昇を防がなければなりません。
人間にとって涼しいと感じるところは、蚊にとっても体温上昇を防ぐことのできる場所です。木陰に入ったら蚊に刺されていた、というケースは増えるかもしれません。


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