家の中に、茶色の小さな虫がもぞもぞ動いている、ゴキブリとも違うし何だろうこれ?気になりますよね。人を刺したり咬んだりする虫だと大変です。
茶色で数ミリの大きさであれば、それはシバンムシの可能性が高いです。
シバンムシは、人を刺したり咬んだりということはまずありません。しかし、人の財産に被害を与える害虫です。そしてシバンムシを狙って、人を刺す昆虫もやってくるというはた迷惑な昆虫です。
この記事では、シバンムシとシバンムシが原因で人間が受ける被害について解説します。
シバンムシは幅広い害虫
シバンムシは、日本では62種が確認されています。この中には食品害虫、建材害虫、書籍害虫が含まれており、かなり幅広く被害を与える昆虫種です。
食品害虫としてシバンムシは、乾燥食品をエサとします。海苔、乾麺、鰹節などの乾物が主なエサです。中には、畳を食べるものもいます。
代表的なものはタバコシバンムシとジンサンシバンムシですが、この2種は植物毒由来の殺虫成分に対してかなり強く、ゴキブリを殺すような殺虫剤に対しても抵抗するものもいます。
建材害虫としては、ケブカシバンムシを代表として3種類が確認されています。建築物、家具の木材を食い荒らす害虫です。
書籍害虫は、本の紙を食べてしまう害虫です。フルホンシバンムシとザウテルシバンムシはその代表格で、フルホンシバンムシはでんぷんを使った糊で製本された書籍を好み、ザウテルシバンムシは本であればなんでも好みます。
シバンムシは人間を刺さない、けれど・・・
シバンムシは人間を直接刺したり咬んだりすることはありません。シバンムシは乾燥した植物性のものかキノコなどを食べる種がほとんどですし、毒針なども持っていません。
しかしこのシバンムシは、別の害虫を引き寄せてしまいます。
その害虫とは、シバンムシアリガタバチという寄生バチです。シバンムシアリガタバチはシバンムシの幼虫に寄生します。そのため、シバンムシが多数生息していそうな屋内にも入ってきます。
シバンムシアリガタバチは、雌が針を持っており、人の皮膚を刺します。刺されると腫れ、痛み、かゆみが起きます。
シバンムシの存在がシバンムシアリガタバチを屋内へと引き寄せてしまうのです。食品工場内に比較的多いというのは、そこで生息するシバンムシを狙って入り込んでいるからと考えられています。
人の生活にうまく入り込んだシバンムシ
野生のシバンムシは、基本的に枯れた植物を食物としています。つまり、死んだ植物成分をエサとしているわけです。
人間が進歩し、植物から紙を作り、木材で家を建て、保存のために野菜などを乾燥させて保存すると、そこにはシバンムシのエサが山ほどあったのです。
そのエサを目的に人間の家屋に入り込んだシバンムシは、人間と共に生きてきました。ゴキブリのような感じですね。
シバンムシは、人に直接危害を加えるわけではありませんが、人の財産に被害を与えるので、財産害虫とも言われています。
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