蝶と蛾、区別がつきますか?
何となくわかっているような気がするし、区別ができるんだけど、言葉にするとちょっと難しい方が多いのではないでしょうか。
この記事では蝶と蛾の違いについて解説します。
見た目で区別はできる
まずはとまったときの羽の状態が違います。上の写真を御覧頂けばわかりやすいかと思います。
蝶の場合は、羽を立てたような感じで、合わせるようにしてとまっています。
一方、蛾はとまっているときには、羽を伏せたような感じでとまっています。この違いは最もわかりやすい違いです。
しかし、例外もあって、蝶なのに蛾のようなとまり方をするものもいますし、蛾なのに蝶のようなとまり方をする蛾もいます。
また、昆虫は変温動物ですので、日光で体液を温める行動をする事があります。
そのような時は、蝶も蛾のような感じで羽を広げてとまっていることがあります。これは刎ねに日光を当てて、体温を上昇させるためです。
触覚の形
触覚の形は、蝶と蛾で特徴的と言われています。
上の写真は、蝶と蛾の典型的な触覚の形を掲載したものです。
蝶の触覚は、針金のような感じで伸びていますが、蛾の触覚はブラシのようになっています。
しかしこれも例外はいくつかあり、決定的な蝶と蛾の違いにはなりません。
大多数の蝶、蛾は写真に示されたような触角の形をしていますが、いくつかの種はそうではありません。
蝶は昼、蛾は夜
蝶は昼に活動し、蛾は夜に活動する、という説があり、実際にそういう傾向はあります。
ですがこれも、昼に活動する蛾もいますし、夜に活動する蝶もいますので決定的な違いにはなりません。
カブトムシなどを捕まえるために、木に蜜を塗って朝見ると、地域によっては蝶の一種であるオオムラサキが来ている事があります。夜の間に蜜のにおいにひかれてやってくることがあります。
ケムシは蛾、イモムシは蝶
成虫で区別ができないなら、幼虫ではどうでしょうか。
蛾の幼虫の多くはケムシ、蝶の幼虫の多くはイモムシ、つまり長い毛が生えているかいないかで区別ができる、という説があります。
しかし、当然のごとく例外があります。カイコガの幼虫は、蛾の幼虫であるにもかかわらず、つるんとしています。
これは、ケムシの長い毛は身を守るためであり、人間にかわれていたカイコガの幼虫は身を守る必要がないので退化していった・・・・・・・・・・。
実はそうではありません。
カイコガの原種と言われている野生のクワコの幼虫は、毛がなく、つるんとしています。
違いを見つけるのは非常に難しい
蝶と蛾は、鱗翅目に分類されます。これは、羽に鱗粉を持つためにつけられた名前です。
この鱗翅目は、チョウ目と言われる事がありますし、ガ目と言われる事もあります。つまり、科学的にははっきりと区別し切れていないのです。実際、フランス語では蝶と蛾は分類学的に言い分けていません。
辞書で調べると、蝶はpapillon、蛾はmite、とされていますが、厳密には毛織物の害虫となる蝶や蛾をmiteと呼び、それ以外の蝶や蛾をpapillonと呼んでいます。
種類としては、蛾の方が圧倒的に多く、蝶の約20倍の種類が見つかっています。系統で分類すると、蝶は蛾の仲間の一部とされており、はっきりと違う種類ではなく、従兄弟のような感じではないかと考えられます。
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