昆虫食といえば、蜂の子、イナゴが日本では有名です。
世界を見ると、他にもいろいろな昆虫が食用とされています。この記事ではそのような虫の中の一つである、セミについて解説します。
セミはかなり大型の昆虫ですし、見た目も強烈です。これを食べる、となると腰がだいぶひけますよね。
でも、世界ではセミがかなりの地域で食べられているんです。その地域の中には、「え?ここでも昆虫を食べるの?」という地域も入っているんです。
セミを食べる地域はどこ?
セミを食べていた、という記録は、古代ローマ、古代ギリシャに存在します。しかし、具体的にどのようにして食べていたかという記録は見つける事ができませんでした。
古代ギリシャの銀貨にはセミが彫られているものがあり、セミという昆虫は意外と身近なものだった事がうかがえます。
現在セミを食べる地域は、中国の雲南省、山東省、河南省周辺と、東南アジアの一部です。特に、タイは昆虫食の先進国であり、多種の昆虫を食用としていますが、セミも食用とされています。
そして意外なのは、アメリカでも食べるケースがある事です。
アメリカには13年、または17年周期で発生する、周期ゼミがいます。この17年周期で発生するセミは、アメリカ大陸先住民族のオノンダーガ族の伝統食です。
現在では、先住民族だけでなく、欧州から移民した人々の子孫である白人の中にも、この周期ゼミを食べる人がいます。
セミをどうやって調理するの?
多く見られる調理法は、素揚げにする調理法です。これは、中国、東南アジアで見られます。また、中国の一部では、煮る、炒めるという調理法があります。
タイでは屋台で昆虫の素揚げが串刺しで売っていることがあります。かなり多いというわけではありませんが、珍しいものではないそうです。同様の光景は、ミャンマーなどでも見られます。
アメリカの場合、先住民族のオノンダーガ族はフライパンを使ってバター炒めをします。また、周期ゼミをチョコレートでコーティングし、そのまま食べる、またはアイスクリームの中に入れて食べるというケースもあります。
とはいえ、アメリカでセミを食べる人は少数であるということを付記しておきます。アメリカの社会でそれほど一般的なことではないようです。
日本で食べる地域はある?
沖縄でセミを食べる習慣がある、という情報があります。沖縄は東南アジアの文化の影響を多少受けているので、そういう習慣があっても不思議ではありません。
しかし現在では、そういう習慣はほとんど見られないとのことです。
それ以外の地域、特に昆虫食の習慣が見られる長野県でも、セミを食べるという習慣は、昔は記録されていますが、現在ではありません。
最近、昆虫食が一部で注目されています。その流れで、「中国・東南アジアで食べているから」という理由で、セミを食べようとする人は存在します。
しかしこれらは「食べる習慣がある」というわけではありません。あくまで食べる習慣とするのであれば、現在の日本では全くといっていいほど無いのではないでしょうか。
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