大型で攻撃的な性質、そして強い毒を持つスズメバチ。スズメバチに刺されて死亡する事故は、動物から人間が受ける害の中で、件数が非常に多い事故です。
このスズメバチに天敵はいるのでしょうか?自然の中で、スズメバチが苦手としている動物はいるのかどうか調べました。

スズメバチの天敵になる鳥
鳥が昆虫を食べる、というのはよく聞きます。スズメバチ捕食する鳥にはどんなものがいるのでしょうか?
ニワトリがスズメバチを食べることは知られていますし、野鳥でそこそこの大きさであれば、スズメバチを捕食する鳥はいます。その中でも、鷹の一種であるハチクマは、ハチを主食としています。
ハチクマはスズメバチなどの巣を襲い、幼虫や蛹を食べてしまいます。そしてスズメバチの巣を分解して自分の巣に持ち帰り、雛たちのエサにします。
ハチクマは硬く、厚い体毛に守られ、スズメバチの毒針が貫通することができません。
同じ昆虫にも天敵がいる。
同じ昆虫の中にも、スズメバチの天敵となるものがいます。

ムシヒキアブは、スズメバチなどの昆虫を抱きかかえるようにして体液を吸ってしまいます。ただし、スズメバチに気づかれずに近づけた場合のみです。スズメバチに攻撃態勢をとられると、ムシヒキアブの力では勝てません。背後からの奇襲が成功したときのみ、ムシヒキアブはスズメバチに対し優位に立てます。
ネジレバエは寄生昆虫で、働き蜂に寄生します。ネジレバエに寄生された働き蜂は働かなくなり、越冬します。スズメバチを殺すわけではなく、スズメバチの行動をコントロールして、自分に都合のいい生活サイクルを送らせてしまいます。このネジレバエがオスのハチ、または女王蜂に寄生すると、繁殖ができなくなります。
寄生されたスズメバチが巣の中に増えると、働き蜂の稼働率が落ちたり、子孫が残せなくなって、巣が存続できなくなってしまいます。
他には、蛾に分類される、ギンモンシマメイガ、モモイロシマメイガはスズメバチの巣に寄生します。幼虫はスズメバチの巣をエサとして育ちます。また、ベッコウハナアブは、巣の中のスズメバチの幼虫と蛹をエサにしています。
天敵というよりはライバル?
カマキリ、オニヤンマは天敵と言われています。
しかし、スズメバチとカマキリ、オニヤンマの関係は、一方的ではありません。スズメバチが捕食されることもあれば、スズメバチがこれらの虫を捕食することもあります。
これらは天敵というよりも、生きていく上でのライバルと言えるかもしれません。
女王蜂を不妊化してしまう寄生虫
昆虫の体内に寄生する寄生虫は多くの種類が知られています。スズメバチの寄生虫も何種類か知られていますが、その中でスズメバチにとって厄介な天敵と言えるものが、スズメバチタマセンチュウです。
女王蜂は、卵巣が発達し、繁殖が可能となると巣を作り始めます。しかし、卵巣が発達しないと巣を作ることができません。
スズメバチタマセンチュウは寄生すると、女王蜂の卵巣発達を阻害します。卵巣が発達できない女王蜂は、巣を作ることができずに彷徨うことになってしまいます。
まとめ
強い攻撃力と大きな体を持つスズメバチでも、天敵となる動物がいます。スズメバチの害に対して様々な研究がされており、ここに挙げた天敵たちも研究対象になっています。
しかし一方で、スズメバチが害虫の捕食をするという面もありますので、一概にスズメバチをとにかく駆除する、というわけにもいかないようです。人に危害を加えるような状況でなければ、スズメバチも有用であるという考え方もあります。


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