イモムシを見ると気持ち悪い、そもそも昆虫が苦手な方は多いかと思います。こればかりはどうしようもないです、理屈抜きで生理的に受け付けないわけですから。
でも、そんなに得意じゃないけど、きれいな蝶などを見るのは好きだし・・・・という方もそこそこいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事は、そのきれいな蝶の幼虫時代、イモムシ時代の解説です。
アゲハチョウの幼虫はバラエティに富んでいる
日本人になじみの深いアゲハチョウは、種類によって幼虫の色や形が違います。下の写真には、代表的な2つのアゲハチョウ、ナミアゲハとキアゲハの幼虫を掲載しました。

キアゲハの幼虫はちょっと毒々しい感じですが、ナミアゲハはいかにも青虫という感じです。
ナミアゲハの幼虫は、何となく表情があるような感じで、かわいいと思う方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
顔に見えるけど顔じゃない
魔にアゲハの表情に見える部分、目があるように感じられるところは、実は幼虫の胸の部分です。
幼虫の頭は下の写真に示した場所にあります。

昆虫の体は、頭部、胸部、腹部に分けることができる。これは習った覚えのある方もいらっしゃるでしょう。
キアゲハの幼虫の顔に思える部分は、実は胸なんです。胸部の背中側に目の玉のような模様がついているということなんです。
この模様を目としてみると、頭部は口に見え、なんとなくアゲハチョウの幼虫は表情が豊かに見えます。かわいいと思う人の中にはちらほらとこの点が心ひかれるところだと言う方もいます。
イモムシ系には割と多い「目のような模様」
このような模様はアゲハチョウの幼虫だけでなく、日本人にはなじみの深いカイコの幼虫にも見られます。
下の写真に示したように、カイコの目のように見える模様も、幼虫の胸部背側にあります。
カイコの中にはこの模様がない幼虫もいます。昔は、模様があるカイコのことを形蚕(かたこ)、模様がないカイコのことを姫蚕(ひめこ)と言っていました。現代でも、養蚕をやっているような地域の人、または昆虫好きの人にはこの言葉は通じます。
なぜこのような模様があるの?
幼虫に、このような模様があるのはなぜでしょうか?
それは、この目のような模様で鳥などの天敵を威嚇するためと言われています。カイコの場合は1000年以上かけて品種改良され、家畜化されている昆虫で、あまり天敵を用心する必要はないのですが、カイコの原種と言われるクワコに目玉状の模様があります。
クワコは危機を感じると胸部をふくらませて、目玉の模様を大きく見せて威嚇します。アゲハチョウの幼虫は、臭角という臭いを放つ器官を出す威嚇方法と、目玉模様が付いている胸部を左右にゆらす威嚇方法が観察されています。
目玉模様はちょっとおしゃれな模様にも見えますが、アゲハチョウの幼虫にとっては、天敵に対抗するための大事な武器の一つなんです。
この模様がないアゲハチョウの幼虫はいないのでしょうか?
おそらくはこの模様がついていないと天敵に捕まりやすいため、模様がなくなるような遺伝子を持った個体は少なくなり、天敵から逃れることのできる模様付きの個体が生き残ったのではないかと予想されます。


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